愛犬は、子供と同じように大事な家族。でも、どんなに気をつけていても病気になることもあります。突然のアクシデントに見舞われたときにも慌てずに適切な対応ができるよう、何をすべきかを知っておきましょう。今回は中毒や脚の切り傷、下痢の症状を起こしたときなどの対処についてのアドバイスを、幾つかご紹介します。
ここでは、万一の事態が起こり、犬に応急処置を施さなければならなくなった場合に、役立つ知識をまとめてあります。ただし、このページは、応急処置の一般的な方法に過ぎないので、万能薬ではありません。実際のアクシデントの際には、必ず獣医さんからアドバイスを受けるようにしてください。
交通事故
脚の切り傷
目のケガ
嘔吐
ひどい下痢
虫刺されとヘビの咬み傷
痙攣または発作
急な耳の痛み
原因が分かっている中毒
窒息
卒倒
胃捻転
動物病院への搬送
★交通事故
実際にあなたの目の前で犬が事故に遭う場合と、犬がケガをして帰ってくる場合とがあるでしょう。どちらの場合であっても、まずさらにケガをする可能性がある車道に出ないように気をつけてください。目立った外傷がなくても、骨折や脱臼、内臓破裂などの痛みのために、犬が言うことを聞かず抑制できないこともあるので、必要であればつないでおきましょう。そして、できるかぎり犬を安静でくつろいだ状態にさせます。目立った出血のある箇所は、止血のために清潔な包帯や布で強く押さえます。その後は、一刻も早く獣医さんからのアドバイスを受けてください。
★脚の切り傷
砂浜や外で歩いているときに、ガラスの破片や何か尖ったもので切り傷を負い、急に出血してしまうことがよくあります。出血が大量なときには、ガーゼの包帯材や清潔な布で脚をくるみ、脚の周囲に均等に圧力がかかるように、しっかりとした包帯を使います。それから犬を動物病院に連れていき、獣医さんの適切な治療を受けてください。ちなみに、脚に輪ゴムやその他の止血帯を巻いてはいけません。特に長時間の使用(15分以上)はやめましょう。
★目のケガ
草の実など明らかな異物が入っていないかどうか、よく見てください。異物が目に刺さっている場合には、素人が取ろうとすると、さらに深く刺さってしまうことがあるので、自己処置はいけません。全身麻酔をかけた状態で、獣医さんに慎重に取り除いてもらわなければいけないこともあります。
気をつけなければならないことは、異物感を気にして犬が痛めた目を自分の脚でこすったり、家具にこすりつけたりすることです。ますます状況が悪化してしまうので、とにかく早く獣医さんに連れて行って検査と治療をしてもらいましょう
★嘔吐
犬がときどき嘔吐することは、あまり心配しすぎることではありません。基本的に犬はよく吐く動物です。そうして自分の体調を管理していることもあるのです。けれども、短時間に何度も嘔吐するとき、または全体的に体調が悪そうに見えるときは要注意。あなたの犬が嘔吐を繰り返しているようであれば、嘔吐の様子と何を吐いたかをメモして、獣医さんに説明できるようにしましょう。獣医さんに調べてもらうために、吐いた物を少し瓶にとっておくと万全です。一刻も早く獣医さんからのアドバイスを受けてください。
★ひどい下痢
ひどい下痢とは、ときとして血液や粘液を含む、非常にゆるい便のことを言います。下痢がひどいときには、嘔吐を伴うこともあります。そういうときは、食べ物を何も与えずに、犬の体を暖かい状態に保ってください。下痢でも食欲がある子や、小型犬の子犬の場合はあまりに空腹な状態だと低血糖症になる心配があるので、場合によっては砂糖やハチミツを少し加えた水、またはブイヨンで薄くとったスープを少量与えます。
犬が弱っている、だるそう、元気がないなどの全身症状があるときは、すぐにかかりつけの獣医さんに連れて行きましょう。食べ過ぎなどによる単なる胃腸炎ではなく、何か重篤な病気のサインである可能性もあるからです。
★虫刺されやヘビの咬み傷
犬が虫(ハチや毛虫など)に刺されたり、ヘビに咬まれたりした場合は、急に鋭い痛みを感じ、その後に患部が腫れたり、ときには皮膚の色が変わったりする症状が見られることが多くあります。のどを刺された場合には、呼吸しにくくなることもあります。そうしたときは犬を安静な状態に保ち、運動させないようにしましょう。腫れた状態が悪化した場合、顔がむくんできた場合、あるいは呼吸が荒くなってきた場合には、獣医さんに連れて行きます。
★痙攣または発作
突然、抑えがきかない痙攣性の動きを起こすことがあります。よだれがたくさんでて、失禁してしまい、また歯ぎしりを伴うこともよくあります。こうした状態は、犬は痙攣または発作を起こしていると考えられます。犬が横倒しに倒れてしまう場合もあるでしょう。
最初にするべきことは、犬の首輪を外し安静にできるところで犬を寝かせることです。できれば犬の頭を持ち、首を伸ばした状態にしてやり、きちんと呼吸できるようにしてください。ただし、発作中に歯をくいしばることがあるので、自分の指を犬の口の中に入れてはいけません。
そして刺激を与えないように、周囲を暗く静かな状態に保ちます。玄関の呼び鈴を鳴らしたり、ドアをバタンと閉めたりというような、突然騒音をたてることは避けましょう。
ほとんどの痙攣は(長い時間のように感じられますが)割合すぐに終わります。おさまったら、発作の前、最中とその後の徴候を正確にメモし、できるかぎり速やかに獣医さんに診てもらいましょう。
★急な耳の痛み
あなたの犬が、耳を引っ掻いたり、頭を片側に傾けていたりすることがあるかもしれません。耳を地面にこすりつけたり、頭を振り、クーンと悲しそうに鼻を鳴らして、誰かが耳に触れるのを嫌がったりする様子が見られることがあります。突然こうした素振りを見せ始めたら、犬の耳の中に草の種などの異物が入っている可能性があります。このような場合は、耳の中には絶対に何も入れずに、獣医さんに連絡をとってください。異物混入がきっかけで炎症を起こし、外耳炎になるなどの二次的な変化が起こり治療がより困難な状態になってしまう前に、早期の段階で手当てを行なうことが大切です。
★原因が分かっている中毒
犬が、あなたや家族の目の前で明らかな体に有害な物(たとえば薬品、洗剤、除光液、農薬、中毒植物など)を飲み込んだ場合には、すぐに獣医さんに電話連絡をして、アドバイスを受けてください。それから、有毒物質の残りまたはパッケージがあれば、それを持って獣医さんに診察してもらいましょう。
★窒息
ボールやオモチャなど、何か異物を飲み込んだことにより、のどが詰まってしまったとき、あなたの犬は、なんとか吐こうとしたり、あるいは脚で口を必死に引っ掻いたりする場合があります。犬の口を開けて、詰まっているものを出すようにしてください。棒や骨が上部にはまっていることがあるので、口をあけて上あごも見てみましょう。ただし口を開けさせ異物を取り除く際、このときは犬も苦しくて必死なので、噛まれる可能性があることを心に留めておく必要があります。
口の中やその周辺部分にある異物を安全に取り除くために、全身麻酔を必要とする場合もあります。またあなたが異物を無事に取り除いた場合でも、その後に犬を獣医さんに診てもらう方が得策。傷などがついていないか、炎症を起こしていないか確認してもらいましょう。
★卒倒
あなたの犬が感電または病気などが原因でショック状態になり、卒倒したら、すぐに獣医さんのアドバイスを受けてください。まずは毛布の上に寝かせますが、気絶しているときは、舌がのどにつまって、窒息してしまうことがあるので、首を伸ばして舌が邪魔にならない状態にして、酸素が通る状態を確保します。
★胃捻転
あなたの犬の腹部が突然膨れてパンパンになり、ガスが充満しているようであれば、胃捻転という病気が疑われます。文字通り、胃袋がねじれてしまう病気で、開腹手術などの迅速な処置をしないと、24時間以内に死亡する、大変危険な病気です。速やかに獣医さんに電話をかけて、すぐ病院に連れていきましょう。
★緊急時に犬を動物病院に搬送する
通常は、獣医さんに来てもらうよりも、あなたが犬を動物病院に連れて行く方が望ましいでしょう。動物病院には、専門的な設備や訓練を受けたスタッフが揃っているからです。緊急時には、全身麻酔の必要がある万一の場合に備えて、犬には食べ物や飲み物を一切与えないでください。抱っこできないサイズの大きさの犬の場合は、床または地面に古い毛布またはコートを広げて、その上に、胴体部分から引っ張って静かにスライドさせます。
それから毛布の両端を2人で持ち上げ、しなやかな担架の形状にして、犬を車の後部座席に運んでください。後ろ向きに歩いている方の人がそのまま車の中に入るようにして、犬をそっと座席に降ろしましょう。そして動物病院に向かうまで、誰かが後部座席で犬に付き添うようにします。犬が痛みのあまり噛もうとする場合には、口輪の代わりに、一時的にネクタイや包帯をマズル(犬の口の部分)に巻き付けても良いでしょう。ただし、これは犬の呼吸の妨げとなる可能性があるため、長時間そのままの状態にしておくのはやめてください。犬が喘ぐように呼吸しているときには、鼻口部を塞いではいけません。
最後に、動物病院に向かう際には、病院側があなたの到着に合わせて準備することができるように、事前にその旨を連絡しておきましょう。
| 6/6 |

