★最初の数週間
子犬は、一緒に生まれたほかのきょうだい犬とともに母犬に育てられますが、生まれたときは歩くこともできず、まだ耳も聞こえず目も見えません。でも、すでに嗅覚は十分に発達しています。だから匂いを頼りに本能的な勘で、母犬のおっぱいを見つけてしっかりと吸いつけるのです。最初の3週間は、子犬は生きていく上で必要な栄養のすべてを、母犬の母乳から得ます。
生後2週目から、子犬の感覚能力が目覚め始めます。目と耳道が開き、初めて自分の母犬やきょうだい犬を知ることができます。
初めて歩いたり吠えたりするのは21日目あたりです。安全な仲間の中で初めての経験を重ね、複雑な構造をもった犬社会での行動を学んでいきます。
生後4週目からは、重要なライフステージが始まります。この頃までに子犬の感覚能力は十分に発達しているので、子犬は自分の周りの環境をいろいろ観察します。あらゆるものをじっくり調べたり、ニオイを嗅いでみたりします。
この頃は、犬の生涯でもっとも学習能力の高い時期です。子犬を社会性のある犬に育てるためには多くの人間や犬やほかの動物を見せたり、車や電車の音を聞かせたりするなどこの時期に子犬にさまざまな体験をさせるように配慮することが重要です。
また、子犬にとっては自分のきょうだい犬と親密な関係を築くことは外の世界を知ることと同じぐらい大切です。きょうだい犬とじゃれあいながら、ケンカを上手に丸くおさめる方法を体得することによって、将来ほかの犬と上手に付きあう方法を学んでいきます。
生後4週目からは固形食を与え始めてよいでしょう。離乳食のスタートです。食事はこの時期の子犬に最適なものを選んであげてください。ほとんどの子犬は7〜10週目頃までに離乳します。生後8週〜12週目の間は子犬が社会化する段階なので、そろそろ「人間の群れ」(=新しい家族)の中に移すこともできます。母犬やきょうだい犬と引き離すのに最も適したタイミングは生後10週目といわれています。
★最初の数ヶ月
生後10週目ぐらいの子犬を家族の一員に迎えたなら、家に慣れたらすぐ(だいたい1〜2週間以内に)獣医さんに連れて行きましょう。子犬の健康状態を検査してもらい、予防接種や寄生虫の除去の正しいタイミングについてアドバイスを受けることができます。
あなたの子犬は周りの環境が新しくなったことや母犬やきょうだい犬と離れ離れになったことでストレスを感じているので、より愛情に満ちた思いやりを必要としています。頻繁に誉めてやり、その際には同時に名前も呼んであげてください。とはいえ、甘やかし放題もいけません。オシッコやウンチを粗相したときはしっかり「ノー」「いけない」などと注意し、トイレ・トレーニングをすぐに始めてください。家に来たその日からいいことと悪いことといった家庭内のルールを教え始めましょう。
生後16週目までは、犬の研究者が「上下関係を確立する段階」と呼ぶ発育期間です。あなたの犬は「群れのリーダー」を必要としています。そして、これは食生活にも当てはまります。犬にいつ、何を食事として与えるのか、また何を食べてはならないのかを決定するのは、群れのリーダーである飼い主です。
またこの時期は子犬の成長が速いデリケートな期間なので、必要となる栄養がきちんと摂取できるように特に気をつけましょう。さらに、車やバス・エレベーターに乗ったり、レストランや人が集まる場所に行くなどいろいろなことを経験させ、子供、ほかの犬、ほかの動物など、さまざまなものに接触させるようにしてください。こうすることによって子犬は社会性を身に付け、将来的に好ましい、神経質ではない強い精神を持った最高のパートナーに成長するのです。
★思春期
犬にも思春期があり、生後6ヶ月目あたりから始まりその表れ方はさまざまです。通常、思春期の時期は短く、1ヶ月から1ヶ月半程度といわれています。
多くの場合、思春期中の子犬はがさつな振舞いをしたり、新しいことを学びたがらなかったりするようになるでしょう。また、これまでに学んだことを忘れてしまったり、あるいは少なくとも忘れたふりをしたりすることもあります。この時期には、適切且つ持続的な教育を続けましょう。
★成犬期
雄犬の場合は脚を上げて排尿し、雌犬の場合は発情したら思春期を終えて成犬になった証拠です。これはだいたい生後7ヶ月目から8ヶ月目の間に見られますが、体のサイズや犬種によって成犬に達するタイミングはさまざま。大型犬では生後1年過ぎに、やっとおとなになることも少なくありません。
雌犬の初めての発情期には雄犬と交尾させてはなりません。子宮や卵巣といった繁殖のための器官がまだ完全に発達していないからです。この段階になったら、食事も成犬に向けたものに変えなければなりません。
この段階まできたら、あなたの犬は少なくとも大きさの面では成犬です。ただし、最終的な体重になるのはもう少し後でしょう。また、性格もまだ完全には形成されていません。からだは大きくても心はまだお子様……といった、可愛い時期であると同時にパワーが炸裂して手に余る時期でもあります。
★老犬期
犬が老いる時期は、どのように飼われていたか(たとえば盲導犬や警察犬のように体力や神経を遣う作業に従事していたとか、寒さ暑さの厳しい環境下で飼育されていたなど)によって変わりますし、もちろん個々の犬によっても異なります。老化のプロセスはほとんど気付かないくらいゆっくりと始まります。老化により、あなたの犬はなんとなく活発さが衰えたり代謝が遅くなったり、また体重が増えたりするかもしれません。そのため、この時期になった頃にはシニアに適した食事が必要になります。さらに、一度に与える量を減らし1日に2〜3回に分けて与えるようにしましょう。こうすることによって、犬の消化器系への負担が軽減され栄養を均等に摂取することができるようになります。また、老犬になるにつれ人間の成人病と同じく泌尿器の病気や糖尿病、心臓病などの疾病が増えてくるので食事療法の療法食といった特別な食事が必要になることもあります。この場合は、獣医さんからアドバイスを受けてください。
一般に、老化の最初の徴候が表れるのは7〜10歳くらいの間です。頭部やマズル(鼻と口のまわり)などが白髪まじりになって白っぽくなったり、また視覚や聴覚が衰えることもあります。犬は通常、年をとっても嗅覚はあまり衰えることはありません。もともと犬は視覚よりも嗅覚を頼りにしているので、視覚や聴覚がじょじょに衰えてもなんらかの病気で急激に視覚を失った場合以外は人間ほどには困らず、その状況に慣れていくようです。
また老犬は、姿かたちが衰えても遊ぶことへの情熱を失うことはありません。いつまでも飼い主を喜ばせともになにかをしていたいという気持ちでいっぱいです。彼らの気持ちを汲んであげつつ、あまりからだに無理をさせないよう上手に付きあってあげましょう。うっかりおもらしをしてしまうことがあるかもしれませんが、これは犬にとってとてもきまりの悪いものです。ですからどうか叱らないであげてください。
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