空気中や地面の匂いは、犬にその土地の出来事について多くの情報を提供します。それは、犬の世界のローカル誌といったものかもしれません。匂いを通して犬がコミュニケーションを取る方法は二つあります。一つは、他の犬が気づくような状況で、ウンチや尿、あるいは身体から出る分泌物の中に匂いを残す方法です。もう一つは、犬の身体自体が発する匂いで、彼ら自身についての情報を伝えるという方法です。
犬にとって放尿は、単に膀胱を空にする行為ではありません。飼い主ならばたいてい、雄犬が頻繁に脚を上げて放尿し、たくさんの場所に少量の尿を残そうとするのにお気づきでしょう。これは彼の縄張りをマーキングして、自分の存在を誇示する手段です。脚を上げて放尿することによって、匂いは鼻の高さに残るわけです。雌犬も後ろ脚を片方上げて放尿することがあります。中には、垂直状の物に尿を残すために両後ろ脚を上げてアクロバットのような逆立ちをする犬もいます!
雄犬も雌犬も他の犬が残した匂いのマーク(臭痕)を詳しく調べますが、その場所に自分の尿を重ねてマーキングすることもあります。もっとも、支配力の強い雌犬は他の雌犬が尿をしている後ろに立って、同じ場所に尿を残すこともあります。飼い犬にとって縄張りのマーキングは、野生の犬の場合ほど重要性は高くありません。ただ匂いのマーキングは、その場所を自分自身の嗅ぎ慣れた匂いで満たすことによって気分をリラックスさせる効果があるようです。
雌犬の尿は、発情のサイクルと性的受容性についての情報も含んでいます。特に雄犬にはこれを感知する能力があり、発情している雌犬を見つけようと遠距離まで移動することがあります。
全身からただよう体臭も犬同士のコミュニケーションの重要な手段です。体臭は顔や肛門部分、しっぽの周りを中心として、身体中にある分泌腺から発せられます。見知らぬ犬同士が出会ったとき、彼らは特に頭部や肛門部分を中心に相手の匂いをかぐことによって、お互いを詳しく見定めます。もっと服従的な犬の場合は、脚の間にしっぽをまいて、それ以上匂いをかがれないようにすることもあります。
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