
12月28日更新
犬と一緒に暮らす日々は、私たちに新しい出会いや、幸せをたくさんもたらしてくれます。時には、犬との出会いが人生を素敵に変えてしまうことも。今回は、犬のブランド「デザインエフ」代表の大谷香菜子さんに、ブランドを立ち上げるきっかけとなった犬との出会い、そして別れを伺います。
アメリカにはワンちゃんのお洋服があるなんて!
帰国後、バスとユンカースとの暮らしを楽しんでいた私に、友人が「DOGUE」(ドーグ)というアメリカの写真集をプレゼントしてくれました。ファッション誌「VOGUE」(ヴォーグ)をもじったその写真集のモデルは、すてきな首輪やお洋服をまとったワンちゃんたち。「アメリカには犬のお洋服があるんだ!」と驚き、すぐ渡米しました。アメリカではテレビのお天気予報で「今日は寒いからワンちゃんにお洋服を着せてあげましょう」と放送していて、カルチャーショックを受けました。レインコート、セーター、ネックレス、首輪。ニューヨーク中歩き回って、犬のかわいいお洋服を見つけては買って、トランクいっぱい持ち帰りました。当時は駒沢公園の近くに住んでいたので、犬にお洋服を着せてお散歩をしていると「そのお洋服、どこで買ったの?」ってよく聞かれました
犬友達と作って育てた「デザインエフ」
そのうち、犬友達と「日本にも、犬のお洋服を扱うショップがあったらいいのに」というお話になりました、日本ではまだ犬のブランドがないから、日本初のブランドを立ち上げよう、と思って作ったのが「デザインエフ」です。ちょうどそのときエアデール・テリアの男の子、エフを家に迎えることになったので、犬の名前とお店の名前を一緒にしました(笑)。当時の日本には犬のお洋服がなかったので、パターン(型紙)を作るのが大変でした。友達のワンちゃんやうちの犬で採寸して、型紙を起こして、洋服を試作して着せては型紙を作り直して…。型紙は4年近く直し続けましたが、まったく辛くなかったです。犬友達みんなが協力してくれましたし、犬と一緒に楽しもうという気持ちでいっぱいでしたね。
ワンちゃんのお洋服はコミュニケーションツール
ワンちゃんにおしゃれをさせると、犬を飼っていない人も「かわいいワンちゃんですね」と話しかけてきてくれます。自然と、犬と一緒にお出かけする機会が増えますよね。そうすると、知らない人が体を触ってもおとなしくしていられるしつけや、子どもやお年寄りなどあらゆる年代の人に慣れさせるしつけをする気持ちが生まれてきます。犬のお洋服は、人と犬とのコミュニケーションツール、トレーニングツールでもあるのです。
シニア・ドッグの愛らしさを知ってほしい
バスは1998年8月21日、ユンカースは2005年6月6日、エフは2009年7月14日に亡くなりました。犬の介護と死を体験して感じるのは、シニア・ドッグはとてもピュアで、かわいらしい存在だということです。ワンちゃんはシニアになると、どんどん子犬に戻っていく。天使になっていくんですね。立てなくなったエフのおむつを代えていると、エフがまるで子犬のような表情で私に甘えてきて、かわいくてしょうがありませんでした。 介護は、精神力と体力が必要です。特に、足腰が立たなくなった大型犬の介護は力仕事です。夜鳴きで睡眠不足になりますし、立ち上がりたくて暴れ、血だらけになったシニア・ドッグは見ているだけで辛いです。そんなとき、介護の辛さを分かち合える、辛さを聞いてくれるお友達がいるだけで、気持ちが前向きになります。シニア・ドッグの介護に悩む飼い主さんたちが助け合えるシステムを作れないかと考えているところです。
犬は幸せと出会いを運んでくれる
犬は私にとって、幸せなときはもちろん、辛いときも、悲しいときもずっと寄り添ってくれる大切な友達です。そんな友達を亡くしたときは、自分の身が裂かれるくらい辛いです。でも、新しい犬は、また新しい幸せや出会いを運んできてくれます。何度も犬を看取って悲しい思いをしましたが、私はこれからもずっと犬と暮らしていきます。
今の私を支えてくれるのは、ユンカースの介護中に迎えたミニチュア・シュナウザーの女の子・ファビ。ユンカースとファビは、ずっとおしゃべりをしていましたね。たぶん、ユンカースがファビに「僕が死んだらお母さんはとても悲しむから、なぐさめてあげてね」って言っていたのではないでしょうか。そして、2009年12月末には、エアデール・テリアの男の子を迎えます。名前は「efi」(エフィ)。エフィとファビ、どんな暮らしになるのかしら? どんな新しい出会いがあるのかしら? そう考えると、本当にワクワクします。バス、ユンカース、エフ。天国にいるみんなの思い出を胸に、ファビやエフィと歩いていこうと思います。



